こっちの話を聞かないのもいつも通りで腹立たしい。

苛立ちを込めて言葉を返す。

「降ってるよ」

『あー、じゃあ割りとどこでも梅雨なんだな』

「だからどこにいるの」

『そっちの話、なんかしてくれる?』

舌打ちが零れた。

光輝は、自分のことを話すつもりは一切ないらしい。

現在位置、移動手段、路銀、どうやって生活しているのか、衣食住、諸々。

捜索願は取り消されていない。