梓side


毎日夕方になると私は第二のお気に入りの場所へ足を運ぶ。その場所は、倉庫街を抜けると広がる海である。目的はない…ただ何となくそこにいたいからいる。


いつものように真っ暗になるまでそこにいるのだ。明るい夕日から一気に真っ黒に変わる所が好きなのだ。あとはその真っ黒をぼーっと見つめるだけ…すごく落ち着く。



今日は21時頃までのんびり過ごし、帰ることにした。…最近バイク壊れて徒歩で来てたんだったな。欠伸を零しながらダルダルと歩いていると、倉庫街に差し掛かるが、


「ねぇキミ、俺達と一緒に遊ばナイ?」

「そうそう、楽しいよ〜」

耳に赤いピアスを付けた男達が話しかけてきた。
最近赤いピアスのやつに話しかけられることが増えたから、極力黒いパーカーのフードを被るようにしている。