「じゃあ、リョウくんみんな!行ってきます!」

「…行ってくる」


まだ若干不服な表情の成瀬とその他に見送られ、部屋から出た。コンシェルジュの花澤さんの行ってらっしゃいませという見送りの声に軽く返しながら、ロビーの自動ドアから外へ出ると、うるさいセミの声とジリジリと照りつける太陽が私達を出迎えている。

…あっつい。
現在10:00。日が昇るのが早い夏はこの時間でも既に太陽が高い位置にあり、容赦なく照りつけている。

「暑いねぇアズサちゃん…」

サクラもこの暑さに応えているようで、手でパタパタと扇いでいた。

「…タクシー拾うか」

「…うん、それがいいね…」


歩きは断念し、大通りに出てタクシーを拾ってショッピングモールへ向うのだった。