7月に入ったある日の下校途中。

「今度、観たい恋愛映画があって翔大を誘ったんだけど2人で行くのはちょっとって言われたから、咲野君も誘って一緒に行かない?」

結愛が私に言ったのは、翔大に言われたからだってすぐに分かった。

「うん。でもいいの?」

「もちろん。じゃぁ今週の日曜日たのしみにしてるね!」

結愛は嬉しそうにそう言ってくれたけど、私にはやっぱり罪悪感があった。

だから私はその夜、翔大の部屋に行った。

「翔大・・。
せっかく2人でデートに行けるのにわざわざ私のこと誘わなくてもいいのに・・。」

「やっぱ、ばれた・・・?」

そりゃぁ・・

「結愛が大好きな翔大が、結愛に誘われたのを、恥ずかしいからって断るはずないでしょ!?」

「まあな・・。」

頭を掻きながら翔大はそういった。

「でも、陽向と花が付き合えるなら俺はなんでもしたい。
それは結愛もおんなじだから・・。」

「私はほんとに幸せ者だね。」

翔大や結愛の気持ちがうれしくて、今回はお言葉に甘えさせていただくことにした。