花side

私が熱を出した日、咲野君が私を抱えて保健室まで運んでくれたことを翌日、

結愛からの電話で知った。

なんで咲野君が私を・・。

その日は念のため休み

次の日学校に行った私は、咲野君を見るやすぐに声をかけた。

お礼を言いたかったから・・

「咲野君おとといは・・」

「「ヒューヒュー!!!」」

私の声を遮るようにクラスメイトが声を上げる。

何?

どうしたんだろう・・・?

声を上げている人たちはみんな私たちのほうを見ていた・・。

「一昨日咲野君がみんなの前で花を抱きかかえたもんだからカップルだと思ってるみたい。
昨日からずっとこんな感じなんだよね・・・」

結愛は私の近くに来ると罰が悪そうに言った。

「そんなんじゃない!!」

私はそう叫ぶと教室を出た。

こんなの咲野君に失礼だよ!

「待って!」

結愛の制止を振り切った私が走り続けると

ガシッ

腕をつかまれた。

結愛だと思い振り返ると。

そこにいたのは咲野君だった。

「どうして・・?」

なんで咲野君がここに・・

「そんなにいやだった?
ごめん。」

咲野君はすごく悲しそうに言った。

ちがう!!

「いや、そうじゃないの。
そうじゃなくて・・・」