「おばさん・・
父さんは新井先生のことを
恨んでた?」

それが一番俺は気になった。

父さんは俺に『新井先生は悪くない』って言ってた。

でも、その先生のせいで母さんと産まれてくるはずだった弟が亡くなったのは事実。

その先生が母さんの異変を見落とさなかったら、

母さんも父さんも死ななくて済んだかもしれない。

産まれてくるはずだった俺の弟も・・

俺はそう思わずにはいられなかった。

「正平は、
新井先生には本当に感謝しているって言ってた。
もう、恨んでないって・・。
それと・・。」

俺はその言葉を聞いて驚いた。

でも、父さんはこういう人だった・・

部屋に戻った俺は一人で涙を流した。