いきなりドアが開いたのに驚いて、
私がドアのほうを見ると翔大が立っていた。

「花・・」

もう。

いきなり入ってこないでよ・・

私は慌てて涙を拭いた。

「どうしたの?」

精一杯の笑顔を作って私はそう言った。

「泣いてるんじゃないかと思って・・
当たったな・・」

翔大は苦笑いをしながら言った。

「聞かないほうがよかったって思ってる?」

「・・うん。
知りたくなかった・・かな?」

「そうだよな・・
正直俺も、あの時強引に花を連れてったこと後悔してる。
ごめんな・・。」

「翔大が謝ることじゃないよ・・
望月さんと話さなかったらきっと今頃話せばよかったって後悔してると思う。
それに私は別に後悔してるわけじゃないよ・・
ただ、できれば父さんと母さんのいいところを知りたかった・・」

「花・・」

止まっていた涙が再び溢れだした。

自分の中でまだ心の整理がついてないんだ・・。

父さんが医者だったてことも、医療ミスをしたってことも・・

父さんのすべてを受け入れられなくて頭が混乱してる・・

「私
もう、わかんないよ・・」

私が泣いてる間、翔大はずっと私の背中をさすっていてくれていた。