「お茶よかったら飲んでね。」

と、お菓子と飲み物を出してくれた。

「「ありがとうございます。」」

「そういえば、あなたたちの名前聞いてもいい?」

「あっ、すいません。
牧原翔大です。
こっちが妹の花です。」

「翔大君に花ちゃんね。
毎年来てくれてたの?」

望月さんは私を見ていた。

「いえ。
今日が初めてです。すいません。」

私はそう言って頭を下げた。

「いいの。
そういう意味で言ったんじゃないのよ・・
あなたたちに会えてよかったわ。」

え・・

気づいてる?

私が娘だって。

なわけないか・・

せっかく家まで来させてもらったんだから、
思い切って私は自分のことについて聞いてみることにした。

「あの・・
新井さんにはお子さんがいましたよね。
私たちと同じくらいの。」

「うん。
あみちゃんっていう子がいたわ。両親が亡くなってしまったから施設に入ったの。
でも、そのちょっと後に養子として引き取られたって聞いたわ。
父親である真司さんは親に勘当されちゃって頼れなくて
私も双子が生まれたばかりで引き取れなくて・・。
っていい訳よね。
あみちゃんが幸せであることを祈るしか今はできないわ・・・。」

父さんが勘当されてた・・?

初めて聞いた。

どういうことなんだろう・・

「あの・・勘当って・・?」

「そうね、あんまり胸張って言える話じゃないんだけど・・。
真司さんは元はお医者さんだったの。」

「えっ、医者?」

私は驚いた。