「私、行ってみようかな。お墓参り。」

「えっ?」

「陽向に言われて気づいた。
私も実の両親に感謝したい。産んでくれてありがとうって伝えたい。
こんな風に思えたのは陽向のおかげ。
私のほうこそほんとにありがとう。」

いつかこうなってよかったと思えるようになった時、
実の両親のお墓参りに行くことがある意味私の夢だった。

今でも、あの日の出来事は思い出したくもないし、
実の両親の存在を本当に認められたわけでもない。

こうなってよかったと思える日は来ないのかもしれない。

それでも、私は実の両親に感謝の言葉を伝えたい。

今までできていなかった、約10年分の報告をちゃんとしたい。

私はやっとそう思えた。