運命が紡いだ物語

「そろそろ来るね!咲野君・・。」

教室で、私よりなぜか緊張して咲野君を待つ結愛を見て、私は少し笑いそうになった。

「あっ!来た。」

「おはよう。牧原さん。」

「おはよう。」

私は笑顔で挨拶をした。

「それだけ!?」

結愛は驚いたように言った。

「えっ?何が?」

私は、結愛の言った意味が分からなかった。

「いや、もっといろいろあるでしょ!
それに、咲野君まだ、花のこと名字で呼んでるの?」

「いきなり、変わらないよ・・。
名字で呼ぶのに慣れてるからしょうがないの。
ほら、そろそろチャイムなるよ!」

私は結愛の言葉に少し驚きつつも、
時計を指差しながら言った。

「えっ、ほんとだ!またね。」

結愛はそう言って自分の席に戻っていった。

嵐が過ぎ去ったように私と咲野君の間には静かな時間が流れた。

名前で呼ぶなんて考えてもなかった・・