今日は、朝からジメッとした曇り空だった。
何かよくないことが起こる、前触れのようなーー……
❄︎❄︎❄︎❄︎❄︎
煌輝said

まさか、菜乃の背中に『スキ』と書いたのに、『イモ』と感じられるとは思わなかった。

ま、今はそれよりも。

「入って来なさい」
「はい」

カラカラと扉を開け、中に入っていく。

「絢辻煌輝です。よろしくお願いします」
「……!?」

ふふ。びっくりしてる。
それもそのはず。

なんたって俺は今、菜乃の通う桜城(おうじょう)高校にいるのだから。

「席は西園寺の後ろな〜」
「はい」

菜乃が、大きな瞳をさらに大きくして俺を見ている。

そう、俺は、今日からこの高校の生徒だ。