「なあ、西園寺頼むよー」
「…嫌ですよ」
「な〜西園寺〜」
「なんで私がついていかなければいけないんですか。こんな…」
「怖くもないお化け屋敷に」

そう。今日は、一大イベントの文化祭です。
先生は、受付担当の私に、一緒に行ってくれと駄々をこねています。

私にとってたかがお化け屋敷なのですが、先生は怖くて仕方がないようですね。
ちなみに、私もついさっきまで中にいましたが、交代制で、出てきたのです。

「なあ、西園寺…」
「…先生、そろそろいい加減にしてくださ…」
「うるせぇぞ、桜井センセ」

駄々をこねる先生に切れる寸前、誰かが先生の襟首をつかんで静かにさせてくれた。

それに、この声は…

「迅くん、ありがと……?」

思わず、声が上ずってしまった。
だって、先生から視線をあげた先にいたのは。

「……あれ…迅くんと、楓くんと、煌輝くん……ですよね??」

美少女3人組だったからだ。