「…菜乃のお父さん」
『なんだ!』

いちいちマイクで叫ばないでほしい。
遠くまで丸聞こえだ。

「菜乃を俺たちの姫にします」
『なんだと!?』
「…菜乃が、そう望んでいれば、の話ですが」

真剣な眼差しでこっちを見てくる煌輝くん。
私は…私は……

「姫に……みんなと……一緒にいたい、です」

たどたどしく返事をした瞬間。

「「おっしゃああぁぁぁぁぁあああ!!!」」

地響きがまたも出現した。
レベル70くらい。

「…静かにしろ、お前ら」
「……」

撃退された。
…あっけなかったですねぇ……

「いいでしょ?父さん」
「だがな……」
「父さんが心配してくれてるのもわかります…その理由も。でも、私ももう高2です。危なそうだったら、帰りますから……お願いします」