ドレスと一緒に私も売れました【優秀作品】

私は尋輝さんに手を引かれて降壇する。

「さ、終わった。
紬、帰ろう。」

尋輝さんは、肩の荷が下りたとばかりに爽やかに微笑む。

えっと、もしもし?

聞きたいことがありすぎて、何から聞いていいかも分からない私は、尋輝さんに手を引かれるまま、会場を後にした。

そのまま助手席に乗せられ、自宅に送られると思いきや、着いたのは高層マンションの駐車場。

「ほら、紬、降りて。」

助手席のドアを開けられ、手を引かれて降ろされるが、意味が分からない。

「ほら、こっち。」

手を引かれてエレベーターに乗せられ、部屋の前に連れて来られて初めて我に返った。

「な、なんですか!?
だって、い、いかがわしいことは
しないって… 」

私がそう言って、部屋に入る事を拒むと、

「何もしないよ。
説明をしたいだけ。
大丈夫だから、とりあえず、中、入って。」

と背中を押される。

ほんとに?

疑わしい目で彼を見ると、

「分かった。
じゃあ、携帯出しなよ。
で、110番を表示させて、いざとなったら、
通話ボタンを押せば繋がる状態にしておけば
いいから。」

と困った顔をされた。

私は、言われた通り、110番をタップして通話ボタン1つで警察が呼べるようにして部屋に入った。

広いその部屋のリビングに通され、ふかふかのソファーに腰を下ろす。

尋輝さんは、隣の部屋へと向かい、すぐに戻ってきた。

「紬、これ、覚えてる?」

尋輝さんが差し出したのは、色褪せたピンクの折り紙。

四つ折りにされたそれを開くと、中には拙い文字で何か書いてあった。