飲んでは騒ぎながら、夜が更ける。

一番に潰れたのは、梨乃だった。



「梨乃ちゃーん? 聞こえてるかー?」


ソファでぐったりとうなだれる梨乃の体を、高峰さんが揺する。

が、梨乃は「んー」と低い声を出すだけだ。



「あーあ。ダメだね、これは。梨乃ってお酒弱いくせに、飲むの好きだから」

「ほんっと、お前らは、揃いも揃って酒癖が悪い」


神藤さんは、醜態を晒す梨乃に小さく舌打ちし、「俺もう寝るからあとは好きにやっとけ」と言い放って、ひとり自室に消えてしまう。

私と高峰さんは顔を見合わせ、ため息を吐いた。



「梨乃、どうしよっか。仕方がないから私のベッド使わせるかなぁ」

「いや、俺が帰るついでに送ってくよ。杏奈ちゃんだって、いくら何でも退院当日くらい、自分のベッドで寝たいだろ?」


それはまぁ、そうだけど。



「ほんとに任せていいの? 何か、高峰さん、送り狼しそうだしなぁ」

「さすがにしないよ。それで訴えられて、弁護士資格剥奪されたら困る」

「あぁ、確かに」


納得した私に、高峰さんは、


「梨乃ちゃんちの住所教えて。あと、タクシー呼んでくれる?」


と、言いながら、梨乃の体を無理やり起こした。


私はタクシー会社に電話しながら、梨乃の住所をメモした紙を高峰さんに渡す。

梨乃はぐったりしながらも、高峰さんに支えられ、どうにか歩いていた。