梨乃と買い出しに出掛け、ふたりで大量のディナーを作った。
そして、夜。
神藤さんより先に、高峰さんがやってきた。
「はい、ビールの差し入れ」
「わーい、ありがとー。入って、入ってー」
きゃっきゃとしながら高峰さんを迎え入れたのは、私ではなく梨乃。
まるで我が家のような振る舞いだ。
高峰さんは、テーブルに並ぶ料理の数々を前に、目を見張っていた。
「これ全部、手作り?」
「当たり前じゃん」
「へぇ。本格的だな。ふたりで店でもやれるんじゃねぇの?」
まるで昔からの友達だったみたいに、梨乃と高峰さんは仲よく話す。
いちいちかまっていられないので、私は残りの作業をすべてひとりでする羽目に。
それからほとんどの準備を終えた頃、ガチャリと玄関のドアが開き、神藤さんが帰ってきた。
「おかえり」
玄関先で出迎える私に、しかし神藤さんは並んだ靴を見て、怪訝な顔。
「誰かきてるのか?」
「あ、うん。梨乃と高峰さんが」
「は?」
私の後ろから、遅れて顔を出した高峰さんも、「おかえり、神藤」と、笑う。
昨日までの優しい顔はどこへやらで、神藤さんは、
「何をやってるんだよ、お前らは」
と、こめかみを押さえたが。


