「校長が怒ってるんだよ!」

「はぁ。バレたか」

「校長も心配してるんだよ」

「わかってるよ」

「戻ろう」

「うん。」

テレビを見るとまだ棗が映っていてアナウンサーと笑顔で話していた。きっと担任の先生も見えてたはず。だから、私の手を引っ張ってくれている。

「先生痛い」

「あ、ごめん。」

「いいよ。テレビの棗に気づいてたからでしょ?」

「あぁ。」

「棗は忘れてなかった。」

「そうか」

「うん。」