「棗どこに居るの……?」

私は呟く。もちろん誰も答えることは無い、当たり前か誰もいないんだから。私は商店街を目指して歩く。ふとテレビに視線を向けると見覚えのある顔映っていた。

「みなさんこんにちはー!」

「きゃー!!」

「今日は大人気歌手の本郷棗君に来てもらいました!」

「よろしくお願いします!」

「今日はデビュー曲の二人の思いを歌ってもらいます!」

二人の思い……?その曲って私と棗が2人で書いた曲……

「この曲のエピソードはありますか?」

「今、訳あって離れてる彼女と書いたものです。だから作詞の所に俺の名前と彼女の名前が書いてあります。」