陽の光と、頬に当たる爽やかな風で私は自然と目を覚ました。

 顔を上げて目を擦り擦り昨日と変わらない喉かな風景を見回していると、後ろから「おはよう」 と声がかかった。
 振り返ると、昨夜と同じ場所に昨夜と変わらず胡坐を組んで座るセリーンがいて、そのことにほっとしながら私は答える。

「おはようございます」
「良く眠れたようだな」
「あ、はい。お陰様で……。セリーンは眠れましたか?」
「あぁ。問題ない」
「ラグは、……まだ寝てるんだ」

 寝ている彼に気付き小声で言う。
 意外に思って私は頬杖を着いて横になっているラグの寝顔を見つめた。

「明け方に一度代わったからな。もう少ししたら起きるだろう」
「そう、ですか……」

 髪の結び目にはちゃんとブゥが逆さにぶら下がっていた。明け方戻ってきたのだろうか。

 ――そういえば、こんなにまじまじと彼の顔を見るのは初めてだ。