こんなに泣くのは久し振りで、去年大好きだったおばあちゃんが死んだ時以来かもしれない。
 その時はとにかく悲しくて泣いた。

 今はただ怖くて、この世界に来てずっと混乱していた頭がついに爆発してしまった。

 まさか17歳で死の恐怖を何度も体験することになるとは思わなかった。
 今までが平凡過ぎた分、一気にしわ寄せが来たとしか思えない。
 しかもまだ終わっていないなんて……。

 早く帰りたい。

 早く、元の世界に戻りたい……!


「どこか痛いのか!?」

 焦ったようなラグの声。
 私はしゃくり上げながら首を横に振る。

 心配してくれているらしいラグ。
 先ほどまで怒鳴られてばかりだったから少し意外だった。

 ただ泣く私に困り果てたような雰囲気が伝わってきて、申し訳なくて、

 でも少し、嬉しかった……。