「ガクフ?」
皆怪訝そうな顔だ。
歌は音楽の基本。その歌をこれまで歌ったことも、聴いたこともなかった皆が“楽譜”というモノを知らないのは当然のことかもしれない。
でもエルネストさんは確かに「その楽譜は僕が持っている」――そう言っていた。
一層、彼の謎が深まってしまった。
……今度はいつ現われてくれるのだろう。
訊きたいことはたくさんあるのに、いざ彼を目の前にするといつもうまく話をすることが出来ない。
むしろ謎が増えていくばかりだ。
私は料理を口に頬張りながら彼の優しげな笑顔を思い浮べていた。
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