「な、何でも無いっ!!」

 ムッとした顔で言い返す。

「ンフフフフフ♪」

「全く、まだまだお子ちゃまだな」

「だ、誰がよ!?」

「フッ、アハハハハ!!」

「アレックまで! もうほっといてよぉ!」

 黒雲の広がる真昼の空の下で、4人の笑い声だけが響き渡っていた。



 ・ ・ ・



「みんなー! 今日は一日中歌って踊って楽しもぅー!!」

 空は綺麗な星空と満月に飾られて、街の集会所脇の広場では、この空に見合った飾り付けが施され、集会所の壁沿いにコンサート用のステージと色々な楽器が備え付けられていて、エヴォネール劇団の人たちがそれぞれ楽器を演奏したり、歌を歌ったりして夜の宴を盛り上げていた。

「久しぶりのご馳走だわ! 心配事も無くなったし、今日は腹一杯食べまくるわよ!」