#04


 煩わしいテストが終わった。

 成績が発表された頃、仁瀬くんが特進クラスで2位と大差をつけて首位の成績をおさめた、というニュースを耳にした。

 もちろん沙羅に聞かされた。

 仁瀬くんとは、あれきり会っていない。
 会いたくもない。

 ただ、弱みは握られている。
 いつなにをされるかわからないという不安は、常につきまとっていた。

 好きにしろなんてタンカをきったものの。
 わたしは自分が思うほど強くはないらしいということを思い知ったんだ。