夏休みが明け、学祭のリハーサルが順調に行われ。
いよいよ本番を迎えた。
控室で出番を待つ。
「ふはっ」
アリス役の小栗(おぐり)くんが、わたしの“マッドハッター(狂った帽子屋)”を見て声に出して笑っている。
「な、なに!?」
「……クッ……ハハ……、舞台で噴き出さないように気をつけなきゃ」
今にも涙を流しそうだ。
「そんなにヘン!?」
「ツボ」
たしかに、特殊メイクっていうのかな?
不思議な雰囲気に沙羅がしてくれて、正直誰かわからないくらいの変貌を遂げた。
ハロウィンパーティーにいそう。
衣装も、個性的だ。
服飾系の専門学校に進学予定の子がこだわってくれた。
「よかった」
ホッと胸を撫で下ろす。
「よかった?」
目を丸くさせる、小栗くん。
沙羅のメイク術によって美少女になった小栗くんは、雑誌のモデルみたいにめちゃくちゃ可愛い。
小栗くんのまつ毛は元々長く量が多いらしい。
つけまつげいらず。
地毛をくるんと巻き、少マスカラを塗った程度で目力が凄まじい。
小顔で色白で。
このまま化粧品のコマーシャルにでも出てきそうだ。
女子がキャーキャー騒いでいたし、一部の男子も「あの小栗なら……ありかも」とかなにかに目覚めかけていた。
さすがは主役。
座席は小栗くん目当ての観客でほとんど埋まるんじゃないかってほどの人気だ。
「登場したときのインパクトで笑いがとれる」
ガッツポーズで言うと、ははっと小栗くんがまた笑った。
いよいよ本番を迎えた。
控室で出番を待つ。
「ふはっ」
アリス役の小栗(おぐり)くんが、わたしの“マッドハッター(狂った帽子屋)”を見て声に出して笑っている。
「な、なに!?」
「……クッ……ハハ……、舞台で噴き出さないように気をつけなきゃ」
今にも涙を流しそうだ。
「そんなにヘン!?」
「ツボ」
たしかに、特殊メイクっていうのかな?
不思議な雰囲気に沙羅がしてくれて、正直誰かわからないくらいの変貌を遂げた。
ハロウィンパーティーにいそう。
衣装も、個性的だ。
服飾系の専門学校に進学予定の子がこだわってくれた。
「よかった」
ホッと胸を撫で下ろす。
「よかった?」
目を丸くさせる、小栗くん。
沙羅のメイク術によって美少女になった小栗くんは、雑誌のモデルみたいにめちゃくちゃ可愛い。
小栗くんのまつ毛は元々長く量が多いらしい。
つけまつげいらず。
地毛をくるんと巻き、少マスカラを塗った程度で目力が凄まじい。
小顔で色白で。
このまま化粧品のコマーシャルにでも出てきそうだ。
女子がキャーキャー騒いでいたし、一部の男子も「あの小栗なら……ありかも」とかなにかに目覚めかけていた。
さすがは主役。
座席は小栗くん目当ての観客でほとんど埋まるんじゃないかってほどの人気だ。
「登場したときのインパクトで笑いがとれる」
ガッツポーズで言うと、ははっと小栗くんがまた笑った。


