仁瀬くんは壊れてる



 ――翌年、六月


「ねえ、花。進路調査票出したー?」
「うん」
「どうしようかなー」

 沙羅と、今年も同じクラスになった。

「いっそレイジの嫁って書いて出そうか」
「いいかもね、それ」
「止めてよ」
「そういえば玲二くんは、四大って言ってたけど。どこ受けるんだろう」

 玲二くんとは離れちゃったが、三人で会うことは続けている。

「剣道続けられるとこだって」
「さすが玲二くん」
「レイジに合わせたら偏差値果てしなく足りないからなー……。さすがに幼稚園からの腐れ縁の記録も。高校までか」

 半年前、わたしに新しい目標ができた。
 栄養士の資格をとろうと決め、勉学に励んでいる。


「学園祭の出し物を決めたいと思いまーす」

 今年もそんな時期が、やってきたか。

 目標を決めたあとからかな。
 あっという間に、時間が過ぎていく。