大嫌い、だから恋人になる

「だったら、お前食ってみるか」

びっくりした。いつの間にか秋山君が背後に立ってた。しかもかなり怒ってる。

「美味しかったでしょ?中トロだよ。お父さんが残しておいたの、勝手につかっちゃったんだけど」

「じゃあ、やるよ」

秋山君はそう言って私にお弁当箱を渡した。

「どうしたの?中トロ嫌いなの?」

秋山君は魚系は苦手だったのかな。

それなら先に言って欲しかった。

まあ、トロなら私が食べれば良いけど。そう思って蓋を開けてみた。

すると中からもう何とも言えないような臭い。魚が腐った臭いとお酢の刺すような臭いと・・・もうこれ食べ物の臭いじゃない。中トロは茶色がかってるし。

「ええと、私はお腹いっぱいだから遠慮して置こうかな」