大嫌い、だから恋人になる

仕方ない。私にはお母さんが作ってくれたお弁当があるから、このお弁当はなっちゃんに食べて貰おう。それから勝手に作ってごめんって秋山君にも謝らないと。

そんなこと考えてると秋山君が戻って来た。

そして私を廊下に呼び出した。

「手作りの弁当はやり過ぎ。びっくりした」

「ごめん」

「まあ、良いけど。味は大丈夫なのか?」

「味は保証する」

「そうか」

秋山君はそう言うと、持っていたビニールを私に押し付けた。中には惣菜のパンがいっぱい。

「安部さんにでもあげて」

「どうして?」

「もう、俺の昼飯いらなくなったから」

秋山君はそう言って私のお弁当を受け取った。

「素直に欲しいって言えば良いのに」

「調子に乗るな。まあ、でも一応、お礼は言っとく。朝早くから頑張ってくれたみたいだし」

「うん」

たったこれだけのことで胸の中が暖かい。