大嫌い、だから恋人になる

「それでね、昨日の秋山君ったらおかしいの。だってね」

「ストップ、ストップ。その話しはもう聞いた」

と凜ちゃんが言った。

「もう三度目だよ、その話し。」

「前にした話とは違うんだよ。」

今は朝の登校中、最近は学校が楽しい。

「でね、秋山君が言うの。」

私が話そうとすると、なっちゃんが来た。

「おはよー。二人とも」

なっちゃんは菓子パンをもぐもぐしてる。朝ごはんはちゃんと食べて出てくるみたいだけど。

「おはよう」

私と凜ちゃんが声を合わせて言う。

「それで何の話ししてたの?」

「いつもの話し。のろけ話し」

「もう、凜ちゃん、冗談ばっかり。私、そんな話ししてないよ」

「じゃあ、さっき話してたのは?」

「秋山君の話し」

「その前、話そうとしてたのは?」

「ええと、秋山君の話し、かな。待って。私、そんなに秋山君の話ししてる?」

「してる、なっちゃんの菓子パンの話しより多い」

それはちょっと重症だ。

「でも秋山君の悪口ばっかりだよね。私、秋山君のことなんとも思って無いし」

「気持ち悪い位、にやにやして、顔を真っ赤にして嬉しそうに話すのが悪口なら悪口かもね」

凜ちゃんのいじわる。

「私、そんな風に秋山君のこと話して無いよね、なっちゃん」

なっちゃんは二袋目の菓子パンを空けながら言った。

「でも好きな人の話ならしょうがないよ」