大嫌い、だから恋人になる

こういう不意打はずるい。私は顔を真っ赤にして俯く。夕日が窓から差し込んでて良かった。耳たぶまできっと赤くなってる。じんじんしてるからわかる。
私は何とか話を変えようと思って言った。

「秋山君、何処にいたの?全然気付かなかった」

「あっちで本読んでたら、お前が入って来て。それで話しかけようと思ったら泣いてるからびっくりした。でも何で泣いてたんだ?俺がいなくて寂しかったとか?」

「違う。そういうのじゃない。ただ秋山君、一生懸命教えてくれたのに、私悪いことしちゃったなって思ったら、急に罪悪感が湧いてきて」

私はとっさにウソを吐いた。

「ということは反省はしてるんだな?」

「うん。でも秋山君だって、バカとかいい過ぎ。それにあの日のプリントだって・・・」

「ああ、あれか。お前、本当に体調悪かったんだな。言ってくれればよければ良かったのに。ってお前言ったけど、言い訳だと思って全然聞かなかったんだった」

「何でわかったの?」

「お前が出てった後、あのプリント見たらいつもと違って字が弱々しい気がしたから、もしかしたらって。まあ、俺も言い過ぎた気もしてたしな」

「私もそのごめん。秋山君がどれだけ一生懸命か気付かなかった」

「それでどうする?勉強続けるか?それとも池谷さんの所に戻る?」

「秋山君に教えて貰う。でももうバカとか直ぐに怒らないで」

「わかった。でもお前も素直に俺の言うこと聞けよ。つまんない口答えはしない。約束だ」

「うん」

「でもありがとう。私のこと待っててくれて」

「別に待ってたわけじゃない。本を読みたかったからここに来ただけだ」

そんなこと言いつつも、秋山君は今日の分のプリントを用意してくれていた。