大嫌い、だから恋人になる

ボートの時間はとっくに過ぎてたみたい。

私たちは延滞金を払ったけど、そんなの全然、気にしなかった。

「どうする?まだ終わりまで時間あるけど、なんか乗ってくか?」

秋山君が聞いた。

「今だったら少し激しいのでも良いよ」

「無理するな。まあ、無難にコーヒーカップにするか」

「そう言っていっぱい廻すつもりでしょ?」

「さあ、どうかな」

秋山君はにやにや笑いながら言った。

「もう、イジワル」

私がそう言った時だった。

「あれ、秋山じゃねえ、何してるんだこんな所で?」

その声を聞いた瞬間、それまでの幸せだった気持ちは全部消えた。