「もう、満足した。ありがとう」
光は満足気だけど私は満足しない。
「!」
私は彼の唇にキスを落とす。
しばらくそのままキスをしていた。
「く、苦しいからそろそろ辞めて?」
そのほんとに苦しそうな顔を見て、唇を離した。
「珍しいね、愛果からキスするって」
でも、本格的に付き合い始めてから、キス初めてじゃん。
「め、珍しくもないよ」
「そうだな」
ふたりでいられたのも奇跡。
全てが奇跡。
「それにしても、凄い偶然。俺ら同じ高校に入学してたんだね?」
ほんとに偶然だと思う。
「そうだね」
そうしてふたり笑って過ごした。