コイノネイロ

病院に着いても泣いていて、咄嗟に抱きしめてしまった。

俺の腕の中で小さく震えながら泣いている音。

ドアが開き、琴音さんの方に向かった。

音は先生になんで倒れたのか聞いた。

でも俺は、知ってほしくない。

そう思い、こっちを見ていた先生に首を振った。

言わないでという意味で。

先生は察してくれて、貧血という事にしてくれた。

実際そうなのかもしれないが。

「では、失礼します」

「音、ちょっと俺いなくなるよ」

「分かったっ…」

音に一言残し、先生を追いかけた。