その日も、にこにこと俺の所へやってきた品川さんが

「雅実さんから連絡ありました?」

そう聞いて来た

「…分かるの、ですか?」

「まぁね、女性心理は、分かるつもりです。で、どうされるんですか?」

「ええ、この後、話を…」

「話?へぇ…」

品川さんは、少し折り曲げた人差し指を顎に乗せ

「追うより、追わせろ…ですよね。彼女の話がどうであれ、一旦承諾して…追わせてみたらどうですか?」

顔を斜めにした上目遣いで、そう言った。

「…彼女が俺を追うとは思えませんが。」

そう言ってため息をついた。

SS0の様子といい、品川さんといい

何を考えているのか、全く分からないが…

きっと…

雅実が俺に会いたいと言った理由が

俺と同じではない。

それだけは、分かった。