「申し訳ないです、急で。」

「いえ、予定もありませんでしたので。」

「えっと…恋人とか…」

思いっきり愚問。

恋人が出来たら0は使用出来ない。

つまり、絶対にフリーだ。

【愚問やね。】

…待て。

私達の重なって一体となったAIがそう言った。

「そ、そうですね。すいません。えっと…今日はお互いの条件がピッタリと合ったって事ですよね。」

【そうやで。】

私の変わりに0が答えた。

「ちょっと待って!何で関西!?」

【初期設定が、そうなってる。】

「ほんと?さっきまで違うかったじゃない。」

【CHEMISTRY】

素晴らしい発音で0は言った。

「まぁ、僕は口下手なので…和んでいいかもしれませんね。」

【なぁなぁ、コイツが一番に出した条件“イケメン”やで。】

ガタッ!

思わず立ち上がった。

「ちょ、ちょっと!それ!」

【因みに、兄ちゃんの方は“誰でも良い”】

ガタッ!

今度は彼が立ち上がった。

【つまり、ベストマッチングや。】

私も…

彼も…

顔を上げられずに固まった。