家に到着すると0が答え合わせを始めた。

前回の会瀬から今日まで。

ロードバイクの日は確かに、楽しかった。

選んで良かったと思った。

雅実からもそれは…感じ取れた。

では、なぜ?

なぜ“NO”を出されるまでになってしまったのか。

「…実雅さん、彼女…いらっしゃいますよね?」

「…彼女?she?」

誰の事か。何の事か。

「いや、恋人」

恋人?結局、自由恋愛には切り替えてはいないが…

「…雅実のこと?」

「え、私はあなたの恋人ではありませんけど?」

『自由恋愛なら』

そう言った雅実に

『お付き合い、頂けますね?』

そう言ったのは、結構早い段階だ。

記憶力はいい、何なら0が記憶しているだろう。

「…いない。」

無かった事になっているから。