ベッドのうえには、等身大のキャラクターの抱き枕が置いてある。

その下の収納ケースにはDVDやマンガが収められていた。

私は昔からアニメやゲーム、マンガが大好きな“オタク”と言うヤツだ。

恋愛よりも勉強よりも、それらに人生を捧げてきたと言っても過言ではない。

彼氏を作る時間があるならば、アニメを見たい。

おしゃれをする時間があるならば、ゲームがしたい。

自分磨きにお金をかけるくらいならば、イベントに出かけたい。

同じ趣味を持っている友達にも恵まれているし、このまま好きなものに囲まれて生涯を終えるのも悪くはないかななんて思っていた。

「なのに、結婚って…」

忘れもしない1年前を思い出して、私は両手で頭を抱えた。

あの悪夢を私は死んでも…いや、死んだとしても絶対に忘れない。