一瞬、加恋と目が合った気がした
友達に頭を撫でられて気持ち良さそうにしている加恋に見惚れるクラスの男達
「なんだあの天然は…!」
「可愛い!可愛すぎる!!」
「ああ今日も天使…!」
ある意味団結力のあるこのクラスの中心にいるのはきっと加恋だ
「あの天然記念物並みの天然具合はなかなかだよね〜」
「………」
ハヤトですら驚く加恋の天然さに俺はなにも言えなくなる
担任がホームルームするのに教室に来て午前中の授業が始まる
そこそこ偏差値が高いこの学校の授業は、進みが早いから休んだら追いつくのが辛い
昼休み、ハヤトと弁当を食おうとしてたら加恋が来た
「ゆーちゃん!一緒にお弁当食べよ??」
ふわふわニコニコしながらお弁当を持ってやってきた加恋に周りから視線を感じる
「いいよ。食べようか」
「やったー!!」
「ハヤト悪ぃ」
「どうぞラブラブしてきてくださいな。邪魔者は退散しますよ〜っと」
「ら、らぶらぶってハヤト君!」
「あれれ〜加恋ちゃん照れてる〜可愛い〜」
「もうっ!」
顔を赤くして怒る加恋と、ニヤニヤとからかうハヤト
「加恋、早くしないと食べる時間なくなるぞ」
「わわわっ!ゆーちゃん行こ!」
「たのしんで〜」
ハヤトを含めクラス全員に微笑ましく見送られながら俺と加恋は普段誰も来ることのない屋上に来た
バタン、と屋上の扉を閉めて鍵をかける
念には念を、ね


