「もー!ゆーちゃん聞いてるの?」


ほっぺを膨らませて怒る加恋


「聞いてる聞いてる。それで駅前のカフェがどうしたの?」


「今度行こ?」


「いいよ、行こっか」


つくづく俺はコイツに甘い



「かーれん!おはよ!」

「ミユちゃんおはよ〜!」

「あーもうあんたは毎日ほんと可愛いんだから!!」

「えへへ〜、ミユちゃんもいつも可愛いよ〜!」


学校一の美少女と言われるコイツは、学校に着けば常に人に囲まれている



「よっ。今日もお勤めご苦労様なことで」


「なにがお勤めだよったく」


加恋が友達の元へ行くと俺の所にクラスで一番仲の良いハヤトが来る


加恋と同じクラスなのって本当助かるよな


「今日も朝から我が高校の天使とラブラブ登校しちゃってよ〜」


「あれのどこが天使なんだか」


「お前はずっと一緒だからなんとも思わねえかもしれないけど、あの可愛さは国宝級だかんな!?」


まぁ、見た目は天使だよ確かに


俺だって毎朝飽きずに可愛いって思うくらいだし




「はいはい」


「しかも彼氏が居たことないなんてもう最高すぎるだろ!!」


「はいはい」


「あの純粋でなにも知らない真っ白な天使を自分色に染めたくなるのが男だよな!…っていってえええ殴るなよ悠!」


「……手が滑った」


「今の間はなんだ!?絶対わざとだったよな!?」



加恋を厭らしい目で見るハヤトの頭を思いっきり殴ると半泣きで抗議してきた