一滴のアイスも残さない、つまりはアイスの棒まで舐める羽奈にゾクゾクする俺がいる。
だからおかしいんだ。
羽奈は俺が産まれて視界に移った異性の女。
母さん以外の温もりは羽奈だけ。
幼稚園で繋ぐ小さな手と手、それでも羽奈と繋ぐ少しだけ大きな手が好きだった。
今じゃ手すら繋ぐ事なんてない……
見えない距離がある。
羽奈がそばにいないと不安でつい、違う形で手が出てしまう。
ポスッ…
羽奈の頭に手を置いて、何?と見てくる羽奈の顔……
「 棒なんか加えてたら危ないだろ 」
「 え、わかってるけど… わ、ちょっと何~ 」
髪をクシャクシャとしてやる。
俺は羽奈と目が合うとヤバい……
何かを感じるのを誤魔化してる。
「 凛~ 髪が絡まるでしょー!」
「 甘いな…… 」
羽奈が話すと甘い香りがする。
なんて女だと、ムカつく。
だから塞いでやりたいんだ、羽奈の口を。
「 ねぇ凛、あんたさぁ好きな子いないの?」
たまに無神経なんだよな……
好きな子って言うな、しかも俺に!
俺は……
「 妬くなよ 」
「 はあ!? 私がいつ妬くの~妬いてる暇なんかないんですー 」
「 ったく、暇なくせに 」
少しは妬けよ、俺は羽奈が好きなのに。



