鮎原はニッコリ笑って両手でOKサインを見せてる。
不意に羽奈が鮎原の後ろに見えた。
“ 凛、あんた可愛いー! ”
笑ってる羽奈が俺の頭グシャグシャしながら言ったりする。
俺は、何だよって突っぱねるけど……
ほんとは、めちゃくちゃ照れるよ。
嬉しいし、それが好きな女だから。
「 会いてぇ… 」
「 え、何?」
「 いや、別に…… 」
羽奈に抱きつきたい。
ギュッてして、わかんねーようにキスしたり。
羽奈に触りたい。
猛烈に羽奈に触りたいっ……
「 凛様、帰りにラーメンでもどうかね?」
「 竹藤… 俺抱きたいから帰るわ 」
「 は……はぁ!?だ、だ… 抱き…… 」
「 泉沢君!今、なんて?」
「 鮎原、竹藤頼むな。俺は帰る、じゃーな 」
「 あ、うん… バイバイ 」
走りながら羽奈のアパートの合鍵を手に握りしめ行く。
バスがいちいち止まるのもある意味イラッとして、羽奈に近づくのがわかるから許せる。
俺の顔は今、どんなだ?
アパートに着くとキッチンの窓が開いていて羽奈が帰ってるのがわかりドキドキしてくる。
なんだよ、心臓うるせーよ!
羽奈に会いたいんだろ、わかってるよ。
今から行ってやるからよ!
「 ……はーい、あれ、凛 」
会いたい女は、羽奈だけだ。
羽奈に触れられる男は俺だけだ。
「 羽奈… 」
「 な、ちょっ… 凛!?んもう、またぁ?」
抱きついたら離れる気はゼロ。
「 うっんぬ~…… 重っ! 凛、部屋に入るくらい自分で上がりなさいよっ 」
嫌だね、羽奈が頑張って俺を引きずりながら部屋に入れる姿がたまらなく好きだから。
「 羽奈~ 離すなよ 」
「 うるさい!歩けー 」
ハハッ、歩くなんて冗談だろ?



