「 泉沢君、ちょっといい?」
「 またかよ、なんでいつも泉沢? 」
「 悪いけど 」
「 え、そんな!ちょっとだけだから来て 」
呼ばれて嫌でたまらないのに強引に引っ張られ教室から出された。
ウザい……
「 ねぇ竹藤君、泉沢君っていつもめんどくさそうだけどちょっと優しくない?」
「 お、鮎原そう思う? 凛はさぁまぁ優しいよ、うん 」
「 ……優しい理由はないの?」
「 さぁな、知らね。けど、優しいってだけで気持ちはないと思うぞ 」
「 え、意味わかんない 」
竹藤の奴が俺の何をどう鮎原と話してるかなんて気にもならない。
だいたい俺を引っ張るこの女、名前すら知らねーし。
いつものパターンだと、俺に用があるのは違う女子だ。
だから嫌だ、なんで女は女を引き連れてる?
俺に用がある奴が俺を呼べばいいだけなのに、だからめんどくさい。
「 泉沢君!良かった、来てくれたんだ 」
ほらな、友達だからって甘えてんだ。
自分から行動しない奴なんか… 嫌いだ。
「 泉沢君、私、芝田 佑奈です 」
あー、あの手紙の主か。
「 俺、あんたみたいな女が一番どうでもいい 」
「 え…… 」
当然フルよ、俺を好きだとか聞きたくもない。