その言葉で私は目を見開く。ぼやける視界の中、懸命に玲美の顔を見ようとした。


「ほ、本当に?」


「うん。確かに顔は見えなかった。だけど、あの人は....ズボンを履いていた。」



「ず、ズボン?」


「そう。私達女子みたいなスカートじゃなくてズボン。そして、私達から逃げるのと武器庫の扉を開こうとした。ってことは今のは黒の可能性大.......黒は男子生徒ってことだよ。」



私は更に涙を流した。今度は悲しみではなく安堵の涙。
確かに作戦は失敗に終わった。だが、戦える武器は取ってくれていた。まだ望みは消えていない。