「へ?私を?んなわけないじゃん。私なんかよりいい人なんて」


玲美は馬鹿にするかのように指をさした。


「ああ!出た!杏の控えめ発言!杏は自分が思ってるより可愛いんだよ?んで、元道が狙ってるって確信できるのはね?去年の学園祭の体育競技、元道あんたのこと頬赤くしてガン見だよ?」


私はそのシーンを頭の中で想像するが、ゾゾゾッと鳥肌が立った。


「う...悪くいうつもりはないんだけど....なんだか...」


「まぁ....元道がもしかしたら告白してくるかもしれないから、ちょっと注意しなよ?告白されそうだったら逃げる!んで純に告る!そうすれば、元道は「遅かった」ってなってあんまり傷付くことないから!」


「...いや、それ結構傷付くと思うんだけど....」


「まぁとにかく!元道には注意!後、告白頑張ってね!覗くこととかはしないから報告絶対だからね!」


私はフッと笑いながら玲美と指切りげんまんをした。
そこで金髪をチラつかせた男子、安澤 立飛が席を立った。


「先生ぇ〜いつになったら着くんすか〜?ちょっと時間飛ばして下さいよぉ〜。」


立飛はクラスの中ではムードメーカーのような人物。アホのようなことをするが何処か憎めないタイプ。立飛の言葉に他のクラスメイトもニヤニヤしていた。