私は顔の痛みを完全に忘れ、急いでドアを閉めた。だが、完全には閉められなかった。ドアは何故か少し空間を開けているところで止まってしまう。


「は!?は!?な、なんで閉まらないの!!!?」


私は何度も無理矢理にドアを閉めようと力を入れだが、ドアは頑なに閉じようとはしなかった。

私の行動に気が付いたのか、迫ってくる足音のスピードが早くなる。


タッタッタッタッタッタッタッタッ


走ってくるのがわかる。それだけで私の頭の中はパニック状態、私は狂うようにドアを閉めようとした。


「なんで!なんでなんでなんで!!閉じてよ!有り得ないって!!」


まるで遠隔されているかのように閉じないドア、諦めを感じてきた中、私はある物が視界に映った。

ドア枠の下に何かが取り付けられていた。それがバリケードとなってドアが閉められなかったのだった。

私はすぐさまそれを取り出した。それはセロハンテープで付けられており、すぐに取ることが出来た。

足音が近い、私はギリギリ間に合ったと確信した。急いでドアを閉めた。



だが、まだドアは閉まらない。



「え!?なんで!?取ったのに」