「痛いぃ....痛すぎてヤダぁ....なんなのこれぇ....」


私は枕をゆっくりと手で押し込むと、チクッと何かが手のひらに当たるのを感じる。
両手で枕の端を持ち、床へ押し込むと血に染まっている針が何本も埋め込まれていた。


「な、なんなのこれぇ....なんでこんなのが...」


私はドアの方を見ると、ドアには開いた時に縄が足元に当たるようにピンと張られていた。その時全部理解した。
痛みが引けるほどの気付きだった。

これは計算された罠。そして、私に罠をしかけて得するのは....


"キーンコーンカーンコーン!

二十二時となりました。白陣営の皆様、今日はお疲れ様でした。三日目も引き続き頑張って下さい。"


そんなアナウンスが聞こえ、私はビクッと身体を跳ね、首元の機械を抑えた。だが、機械が作動しているようではなかった。一応ドアは閉めていないものの、個別部屋にはいっているという認識らしい。

私は激痛を感じながらもホッと一息つけた。だが、その安息の時間は本当に一瞬だった。


コツンッ...コツンッ....


足音が聞こえる。距離はまだあるし小さいが確かに聞こえた。この時間帯で自由に行動するのは一人しかいない。


黒!黒が来る!や、ヤバい!早くドア閉めないと!!