大切な人を守ることが大前提であって、リスクはなるべく回避した方がいい。
....ごめんね純...でも、純ならきっと許してくれるよね?
私は上を向き、純の顔を思い浮かべる。次第に目頭が熱くなり、涙がこぼれそうになった。
美智の指示通りに私達は整列した。出席番号順に並ばされ、ある程度の感覚を空け、先頭には美智が全員の動向を確認しながら先陣を切る。
少し笑けてしまいそうな状況だが、これが最善なのは誰しもがわかっていた。
二階の個別部屋に差し掛かり、一番近い元道はすぐさま部屋に入りドアを閉めた。
少し頭が悪く運動神経抜群な明るい少女、浅良 知与も自分の部屋が近付くとすぐさま部屋に入りドアを閉める。
迅速な行動に、美智も通路にある時計をチラチラと確認しながら誘導しており、タイムリミットの心配は無さそうだった。チラッと後ろを見ると何も変化はないし、誰か消えてる気配もなかった。
「杏さん。早く入ってください。」
美智にそう言われ、私はハッとする。もう自分の部屋の番になっていた。私は皆の迷惑にならないよう、慌てて部屋に入ってドアを閉める。
「ふぅ....えっと、何かドアを抑えるやつ...」
美智の指示通り、私は時間までドアを塞ぐバリケード探しをした。


