心の中だと悟りきっていたことだが、実際に言われると罪悪感で潰れそうになる。七愛海は無実、何も怪しいことはしていないのに処刑されてしまった。


バキッ!


どこか生々しい物音が何の前触れも無く起きて、私の身体はビクッと跳ねた。
バッと振り返ると、そこには息を荒くしながら拳を固めている飛立と頬を両手で抑えて痛そうに悶絶している栄一の姿があった。


「お前....ふざけんなよクソがぁ!!」



まるで私達の怒りを体現するかのように飛立の暴力が栄一を襲う。栄一も抵抗するがあくまで防戦。しかも攻撃を防ぐ盾があまりにも弱いため、飛立の攻撃をほとんど受けていた。

いつもならいち早く止めに行く飛丸だったが、こればかりは止めようとしなかった。栄一が殴られるのは当たり前のようなもの、その暴力に命を奪われたとしても当然と思っているのか、冷たい目で見ていた。

誰一人として二人の間に入ろうとしない異常な空間になっている中、流石にマズいと思ったのか、蓮が駆け寄って飛立の肩を掴んで後ろへ思いっ切り離した。

飛立は蓮の行動に納得いかないのか、息を切らせながら睨みつける。


「何邪魔してんだよ。どけよそこ。」



「いくらなんでもやりすぎだ...落ち着けよ....」



「んなわけねぇよ!七愛海がこいつのせいで死んだんだぞ!!