日常では見ることがない玲美の姿、嫌味を言い放ったり、目を見開き花を恨めしそうに見ている。異様な雰囲気が場を包んでいき、私もそれに唖然としていた。
だがこれだけは分かった。玲美はこのままだと処刑されることは。
「玲美!何言ってるの!!玲美が吊られる意味分からないよ!」
私の必死な言葉に玲美はニコッと笑って見せたが、目は明らかに笑っていなかった。
「ありがとう杏。だけど、私もう嫌になったんだ。ここに来る前まで仲良かったクラスがこんな言い争い....もう耐えられないよ。」
「ダメ!諦めないでよ玲美!玲美は今、自暴自棄になってるだけ!頭がいっぱいいっぱいになってるだけだよ!」
「そうだ玲美!お前がいなくなったら俺どうすりゃいいんだよ!!俺の為にも生きてくれよ玲美!!」
玲美は私と勝治の声も心の底に響いていないのか、顔を横に振って見せた。
「ごめんね二人共。私はもう無理。私が白だって証言されない限り私は吊られるだけ。稀代さん、会談終了のボタン押して。」
玲美は優しくそう美智に伝える。美智はどうすればいいかオロオロしていたが、玲美の気持ちを悟ったのかボタンに手を伸ばす。
私がそれを視界に写した時、フラッシュバックが起こる。昨日のことを鮮明に思い出す。


