慌てる七愛海と冷静に賛同する花、二人の意見に対して周りは少なからず影響し、皆悩んでいた。先程まで七愛海を推していた菅ですら、顎に手を置いて悩んでいる。
「まぁな....玲美から何かあるか?」
「わ、分かんないよ....どうすればいいか....で、でも私だって黒なんかじゃないよ!久川君に話を聞いただけで...」
玲美は弱々しく弁明するが、案の定周りからの反応は薄かった。誰しもが玲美を疑いの目で見つめる。
七愛海は栄一の告白により出てきた容疑者、黒のカミングアウトだが言ってしまえばそれだけ。
玲美は七愛海とは違い、一日目からこのゲームの中心近い存在で目立っている。その上栄一に怒って、睡眠薬の補充の証言。それらが重なっている状態だった。
栄一には説教していたに違いない。
睡眠薬は本当に寝付けられないのか?誰かに使うのでは?
少し頭に浮かんだ疑念の雲は徐々に膨らみ、いずれ玲美の命を奪う。そんな想像が容易にできてしまう。
玲美は泣きそうになりながら酷く縮こまっていた。
だが、そんな状況を打開しようと勝治は手で机を叩き目線を集める。
「玲美は黒なんかじゃない!もし黒だったら純を助けようとなんて思わないはずだ!!


