だが、何も思いつかない。頭の中が真っ白でまともな思考が出来なかった。
思考の隅に浮かんだ言葉を言おうとしても口から出ることは無い、自分が何かを言えば状況が悪くなる一方だと思い込んでいた。
結局誰も一言も喋ることなく、遂に運命の時を迎えた。
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
"「会談」を終了致します。次に「投票」に移ります。「投票」時間中の私語は禁止です。
時間は一分です。「投票」開始します。"
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
そのアナウンスと共に私の机からバリケードと液晶画面が現れる。昨日の起きた惨劇に私は胸が苦しくなる。息が上がり、結果が出ていないのに泣き目になっている。
嫌だ...嫌だ嫌だ嫌だ!!玲美は私の友達なの....好きな人が居なくなって友達も居なくなるなんて....絶対に嫌だ!お願い!お願いします神様!玲美を助けて!!!
私は震える手で昨日と同様、真へ投票をした。投票時間の一分、本当は三分程時間が設けられていると錯覚してしまうほど、苦しく長い時間だった。
"全員の投票を確認出来ました。投票結果を発表します。"
アナウンスが聞こえる、私は無意識に手を握り、まるで神様にお願いするかのようにアナウンスに向かって力強く頭を下げていた。
"遠藤 七愛海.......九票
吉田 真........三票
久川栄一.......七票
遠藤 杏.......二票


